第104回100人参加のトーナメント大会の試合数は?

●99人が負けなければ優勝が決まらないから99試合
 柔道大会。100人の有力選手がトーナメント方式で戦うとしよう。引き分け再試合はない。
 ここで質問。優勝者が決まるまで、何試合が必要か。答えは99試合だ。たったひとりの優勝者を出すために、残り99人全員が負けなければならないからだ。99人のうちひとりでも「嫌だ」「負けを認めたくない。もう一丁」とごねたら、優勝者は決まらない。
 強豪選手になるほど、力量の差はわずかだ。スポーツとはたったひとりに、他の者たちが勝ちを譲る文化である。栄冠とはおのれの力だけで獲得できるものではない。勝者が敗者に感謝をささげるのは当然の作法だろう。
 筆者もスポーツは嫌いではない。ますます盛んになってもらいたい。敗者を思いやる文化を上手に醸成すべきではないか。ガッツポーズだけがスポーツのだいご味ではない。