2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

転職のフォークロア(5)怒涛のポテンヒット

――私自身を含めて、あまり自慢できるわけではありませんが、連敗記録も立派な戦績です。 前回のブログで、このように書きました。一社員記者、編集局長、非正規の契約記者など、働く形態は違いますが、連続して深くかかわった三つの夕刊紙と、ひとつの地域情…

転職のフォークロア(4)「履歴書」の魂の叫び

なかなか希望の職種に付けずに、悶々としている人たちがたくさんいらっしゃるでしょう。世の中には、大手金融、総合商社、外資系コンサル会社などを自由自在に移動しながら、キャリアアップに忙しい経歴の人たちが、ときおり登場されますが、どこか違う星の…

転職のフォークロア(3)「流れ板」のリリシズム

漫画やアニメは専門外で、決して勤勉な読者とはいえません。漫画の世界にはほとんどかかわったことがありませんが、漫画で仕事や職業人がどのように表現されているか、それなりに興味があります。 転職のフォークロア、料理人の包丁つながりで、「包丁無宿」…

「声が小さいっ!」「やり直しい!!」

本日は大阪・京橋から京阪電車にて、京都へ。PR誌の月に一度の定例編集会議に出席しました。会議を終えて、市内をぶらり歩いたときの発見を報告いたします。 昨日は料理人の「修業」の世界を論じましたが、本日はお坊さんの「修行」のお話。とある古刹(こさ…

転職のフォークロア(2)「包丁一本さらしにまいて」

昔ほどではないにしても、転職にはいまだに後ろめたさがつきまとう。数少ない例外のひとつは、料理人の世界でしょう。 料理人たちは転職を否定しません。むしろ、若いころはどんどん店舗を移り、新しい親方のもとで修業に精を出す。行く先々で未知の食材に出…

転職のフォークロア(1)中心と周縁を自在に往還

山口昌男さんと展開した松岡正剛さんの仕事論、いかがでしたか。「はか」という人生の評価基準と、「隠居」という生と死を還元する人事システム。先人たちの知恵を一端を教えていただきました。 読んでいるうちにあれこれ思いが触発されてきました。 たとえ…

松岡正剛の仕事論(2)「生涯現役」か「楽隠居」か

前回に続き、松岡正剛さんの仕事論、二回目です。山口昌男さんと隠居談義に入ります。●早く隠居すればいい 山口 「はか」の考え方で面白いのは、近代以降の日本人は早く隠居しなくなった。今でも七十歳になっても大臣になりたがっている人が多いわけでしょう…

松岡正剛の仕事論(1)/「かせぎ」と「つとめ」

山口昌男さんをしのび、山口さんの著書『はみ出しの文法/敗者学をめぐって』(平凡社・二〇〇一年)を読んでいます。多士済々の文人たちとの対談で構成されていますが、松岡正剛さんとの対談で、松岡さんが仕事に関して言及している箇所が、印象に残りまし…

中小企業という名の小宇宙(5)「好き好んで兼業」の可能性

大阪のまちを歩いていると、ときおり何屋さんかわからない店に出くわします。私が直接おじゃましたわけではないのですが、同僚が取材した店は「町工場」と「立ち呑み屋」を兼業していました。 二階が金属加工の町工場。一階が立ち呑み屋。一階は奥さんが仕切…

トリックスターがまちをうろうろ

文化人類学者の山口昌男さんが亡くなりました。お会いしたことも、まともに著書を読んだこともありませんが、山口さんの「トリックスター」理論を、ひそかに仕事に取り入れてきました。 「トリックスター」は折口信夫の「マレビト」とも通じ合うと思います。…

中小企業という名の小宇宙(4)「頑固一徹」で「変身上手」

昨日までとは一転して、冬へ舞い戻り。風の冷たさも手伝い、外には一歩もさきほど出ずに、PR紙の記事構成案づくり。さきほど送り終わってひと段落。ということで、中小企業という名の小宇宙シリーズの第4弾に取り掛かります。 私は長い間、「頑固一徹」「こ…

サラメシと職場結婚の相関性

本日は「中小企業という名の小宇宙」はおやすみ。代わって、けさ拾った話題を速報します。 朝の情報テレビ番組で料理レシピサイト「クックパッド」が紹介されました。私が関心を抱いたのは、同社の社員専用キッチン。つねに複数の一般社員グループが料理に向…

中小企業という名の小宇宙(3)朱塗りの桜と満開の桜

東大阪市はものづくりのまち。東京都大田区とともに中小製造業の密集地として知られています。町工場のおやじたちが、知恵と技術を持ち寄って、人工衛星を開発。宇宙空間での研究調査に成功したことが話題になりました。 精密素材メーカーのD社も中小企業な…

中小企業という名の小宇宙(2)弁当昼食会で30万円ポン!

けさ、近くの公園をジョギングしていると、ことし初めてウグイスの鳴き声を聞きました。大阪も春近しです。 ジオラマ制作のC社。世界遺産候補の古墳の精密模型から、首都圏・関西間の街並みを俯瞰(ふかん)できる全国最大規模の鉄道ジオラマまで、多様なジ…

中小企業という名の小宇宙(1)下町のミケランジェロ

大阪は中小企業の聖地です。ライターという仕事柄、中小企業におじゃますることがたびたびあります。 創業者やその二代目、三代目社長、ひらたくいえば町工場や商店街の大将たちに、経営に関するあれやこれやを聞かせていただくわけですが、その多様性に圧倒…