2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

仕事の現場(1)/アガサ・クリスティほか文庫本、十一本口!

大阪・四天王寺の青空古本市を冷かしてきました。境内に各店のテントが並ぶ関西最大規模の古本市です。 どこぞに掘り出しもんが、埋もれておらんかいな。私と同年配のおやじたちが、目を皿のようにして古本の山と格闘しています。あさって五月一日まで開催さ…

転職のフォークロア(9)腰だめのある指定管理幕府

徳川政権はとても日本的な政権でした。 自ら神をめざした信長や関白まで昇り詰めた秀吉は幕府を開きませんでしたが、家康は幕府という鎌倉以来の古い統治システムを再活用しました。艱難辛苦に耐え、ようやく天下を手に入れたのに、わざわざ朝廷から征夷大将…

転職のフォークロア(8)浪人たちが見上げた空

転職のフォークロア(7)「素浪人を温存する社会」で、大坂の陣の開戦に伴い、大坂城に浪人たちが詰めかけたと書きました。今回はその続きです。元大阪城天守閣館長岡本良一さんの著書『大坂冬の陣夏の陣』(創元社・創元新書)を参考にして進めさせていた…

河井寛次郎の「仕事のうた」

陶芸家河井寛次郎の業績を振り返るNHKの美術番組で、河井の手になる「仕事のうた」が登場してきました。実際には歌われることはありませんが、河井自身の仕事にかける意気込みをまとめたメッセージソングといった趣でしょうか。難しいことは書いていないのに…

転職のフォークロア(7)素浪人を温存する社会

前回は藤沢周平「証拠人」のエピソードを紹介しました。主人公の素浪人佐分利七内は、物語のラストで帰農します。刀をクワに持ち替えて、新たな人生に立ち向かっていきます。 七内さんのように、さまざまな事情から、禄を失い、浪人を経て農民へ転職した御仁…

転職のフォークロア(6)関ヶ原の合戦後の転職事情

藤沢周平の「証拠人」。短編集『冤罪』(新潮文庫)の冒頭を飾り、藤沢作品の中でも、個人的にはベストテンに食い込んでくる名作のひとつです。 主人公は、関ヶ原の合戦で敗れて失業した浪人佐分利七内。合戦後、二十年たっても、いまだ仕官に至らず。河川工…