2014-01-01から1年間の記事一覧

第83回「しごと談議」(28)「十分話し合ったから許可します」

●古文書貸し出しを巡り会議を数日間 こんな意思決定の方法もあります――という話の続きです。 きょうは私の敬愛する民俗学者の逸話ですが、ネタ本が出てこず、詳細を確かめられません。よって、むかしあるところで、ある学者が、とさせていただきます。 ある…

第82回「しごと談議」(27)「私はいちばんの候補者に投票します」

●自分の意見を主張しません宣言 真面目に選挙制度改革に取り組んでいる皆さんが読んだら、湯気をあげて怒りそうな話になるかもしれません。 江戸時代の大坂。曲がりなりにも大商人たちによる自治制度が確立されていました。現在の区長に相当する町役人を決め…

第81回「しごと談議」(26)「神仏習合」と「鬼平犯科帳」

●インドの神さんがたまたま日本へ 『ともかくも、八、九世紀における神仏習合は、たぶんに窮余の策ながら、日本人最初の独創的な着想だったにちがいない』 司馬遼太郎さんの「この国のかたち(五)」(文春文庫・27ページ)からの引用です。 日本人は水と油…

第80回「しごと談議」(25)「動的均衡」と「臨機応変」

●繁盛商店街も顔ぶれは変わっている きょうは「しょうがないからあきらめよう」という話をします。 私たちは古い街並みに「昔のまんまの佇まい」を求めます。少しでも手が加わっていると、その分だけ価値が低い「残念な」気になります。 しかし、よくよくみ…

第79回「しごと談議」(24)「『ちょいおた』と『おたおた』」

●「のめりこみ型」と「何でも屋型」 取材歴ウン十年というのは事実ではありますが、私には専門分野がありません。「広〜く、薄〜く」のまんま、馬齢を重ねてしまいました。 かつて私が所属していた関西夕刊紙の世界には、ふたとおりの記者がいました。 ひと…

第78回「しごと談議」(23)「テーマ評論から雑感取りへ」

●四年ぶりに忙しくしています この夏あたりから、ほぼ四年ぶりに超多忙となり、取材に追われる怒涛のごとき日々を過ごしています。仕事の性格上、詳細な公開は差し控えますが、家族や友人たちは私のドタバタぶりをしり目に、「あんたらしくてええやないか」…

第77回「しごと談議」(22)「俺を真似ろ」と勝新が言った本当の理由

●鬼才勝新は古典芸能の名手だった サッカーは古典芸能であると、前回書きました。古典芸能つながりで、話題をもうひとつ。先日、テレビのトークコーナーで、俳優の松平健が、師匠だった勝新太郎の逸話を披露しました。 松平は勝新の付き人でした。この付き人…

第76回「しごと談議」(21)サッカーは古典芸能

●型を真似て身に付け壊す サッカーW杯ブラジル大会。完敗で予選落ちした日本代表に関して、「自分たちのサッカー」論が盛んに論議されています。 「自分たちのサッカーを徹底できなかったから負けた」「自分たちのサッカーにこだわるべきではない」という二…

第75回「しごと談議」(20)蔵屋敷で働く

●殿様専用VIPルームのない土蔵限定蔵屋敷 大阪市北区の中之島できょう10日開かれた蔵屋敷跡地の現地説明会に参加してきました。天下の台所・大坂の一端を垣間見ることができる貴重な体験でした。 現地説明会が開かれたのは、中之島六丁目の大阪国際会議場西…

第74回「ご神仏の仕事学」(17)大念佛寺の万部おねり

●黄金仮面の菩薩たちが次々と登場 大阪市平野区の融通念佛宗の総本山、大念佛寺で、五月一日、阿弥陀如来来迎の情景をあでやかに再現する法要「万部(まんぶ)おねり」が始まり、多くの信徒からが詰めかけ、熱心に魅入っていました。 この法要は、阿弥陀信仰…

第73回「しごと談議」(19)締め切り外しの悪夢・続報

●『紅白歌合戦』四年連続の快挙 第65回「しごと談議」(16)で「締め切り外しの悪夢」と題し、締め切りが迫っても原稿が書けない悪夢に、繰り返し繰り返しうなされる話を告白しました。プロの資格を根底から覆されかねない致命的な悪夢で、目が覚めても衝撃…

第72回「しごと談議」(18)若手大工集団の威風堂々

●ウィーン、バチンバチンバチン 団地住まいのわが家で、バリフリー対応の改修工事が行われました。きのうはベテランの電気工事担当者が来訪。照明などのスイッチを、シニアでも操作しやすいデザイン、機能のものに、手際よく交換してくれました。トイレで動…

第71回:「しごと談議」(17)ボールペンのインクが凍った朝

●昭和末期真冬の市場取材 太平洋側を波状的に襲った寒波で、首都圏が二十年ぶりという大雪に見舞われ、混乱しているようです。大阪も積雪こそないものの、なかなか気合の入った冷え込みが続いています。私の住む団地では、おりしもエレベーター工事の真っ最…